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しっぽが身体と見間違う程に太くなる事が時々ある。
先日、どうも小次郎と朔が二階廊下の手摺から落ちたらしくて、二人して尻尾が太くなっていたらしい。
というのも、私は音しか聞いていない為、その後の母の証言(母は二人が尻尾を太くして自分の部屋に駆け込んで来たのを見た)を合わせて普段の二人の行動から考えるとどうもこういう事らしい。

その時、小次郎は手摺の上にいた。手摺の幅はほんの20cm弱。小次郎が上に座ると両尻がはみ出して結構不安定……多分。うちは階段がU字型になっているので二階廊下の手摺の下は階段だ(ただ、この時は手摺の向こう側(階段側)に落ちたのではなく、こちら側(廊下側)に落ちらしいのだけど)。
その結構不安定な所に小次郎が腰掛ていて、そこに朔がじゃれついた。
小次郎が身を捩ったか、嫌がったか。二人して手摺の上でもつれて落ちたらしい。そしてそのまま階段を駆け下りて母の部屋へ。小次郎はこの後直ぐに、二階の私の所に来て毛繕いをしていて、もう尻尾も太くなかったんだけど、朔はそのまま一階をうろうろして母の所に行っては『へや~へや~』と何だか情けない困り声で鳴いていた。母は小次郎が落ちたショックで(または怪我で)動けなくなっているのかと、階段の方を見に来るけれど、そこには何も無い。相変わらず朔は困り声で階段の手摺辺りを見上げている。
何の事はない。普段は朔より小次郎の方が繊細だが、この時は小次郎の方が先に冷静になったらしく普通に戻っており、一っ走りしてやっと落ち着いた朔が、気がつけば小次郎がいない。『おかーさん大変大変、にーたんがいない』とおろおろしていたという事らしい。

常日頃から朔の方が精神的に図太いし、機敏だし、もし震災なんか大変な事が起こったらおにーたんを宜しくね。取った御飯は分けてあげてね。と言い続けてきたんだが、やはりおにーたんはおにーたん何だろうか。

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